2020-09-17 付録 かんらん舎の葉書【4】 1977年10月~11月 早逝の画家達ーⅡ 谷中安規の楽しい世界 展 展示パンフレットより 大谷よりの追記 私は谷中安規の詩を小野忠重著『近代日本の版画』より引用した。 小野氏は読み違えているので、ここに安規の自筆(鉛筆)原文を載せておく。 谷中安規自筆稿本より (7p) 月はまるくまんまろく 星は玩具のくん章で あゝ日の車さへ 乳色だ 緑々 あさみどり 赤い帆かけ舟、 その中で私は永久の童子たるを のぞむことは不可能なのだ やぶれちぎったわが絵本 海は食べてしまった、 私はもう童子ではない、 母の人魚も老ひぼれて 恋人ではない、 なぜわたしがわらん七才の童年で 銀笛をならすことをば こばむのだ ざんこくな わにざめよ